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違った環境や状況に身を置く人々が、同じ空間に一緒に住むことは容易ではありません。
この悲しい世界では、共存や共生に基づく人間関係が成り立たず、
あるグループが他のグループと寄生的な関係に追いやられることが増えています。

そのような世界の真っ只中で、生存をかけた争いから抜け出せずに奮闘する家族を誰が非難したり、“寄生虫”と呼ぶことができるでしょう?

彼らは初めから“寄生虫”であったわけではありません。
彼らは私たちの隣人で、友人で、そして同僚だったのにも関わらず、絶壁の端に押しやられてしまっただけです。

回避不能な出来事に陥っていく、普通の人々を描いたこの映画は「道化師のいないコメディ」「悪役のいない悲劇」であり、激しくもつれあい、階段から真っ逆さまに転げ落ちていきます。

この止めることのできない猛烈な悲喜劇に、みなさまをご招待いたします。

監督:ポン・ジュノ
1969年9月14日生まれ。大韓民国・大邱広域市出身。延世大学社会学科卒業後、韓国映画アカデミーで映画制作を学ぶ。劇場長編デビュー作は、監督・脚本を手掛け高い評価を得たペ・ドゥナ主演『吠える犬は噛まない』(00)。実際の未解決事件を題材にした長編2作目『殺人の追憶』(03)は、韓国動員520万人を超える大ヒットを記録し、完璧と評される構成力が絶賛された。その後、漢江に出現した怪物に娘を奪われた一家の奮闘を描いた『グエムル‒漢江の怪物‒』(06)を発表。1,240万人を超え、当時の韓国動員歴代1位のメガヒットとなった。
初の海外監督作品は、ミシェル・ゴンドリー、レオス・カラックスと共に参加した『TOKYO!』(08)。3部作のうちの一編『TOKYO!<シェイキング東京>』を、香川照之を主演に迎え東京で撮影。日本でも大きな話題となった。息子の殺人容疑を晴らすため真相に迫る母を描いた『母なる証明』(09)は、カンヌ国際映画祭などで高い評価を受け、国内外で20を超える賞を受賞。名実ともに韓国を代表する若き巨匠として、不動の地位を確立する。そして、ハリウッドを代表する国際色豊かな面々をキャストに配した『スノーピアサー』(13)を発表。氷河期が到来した地球を走り続ける列車を舞台に、独特の世界観を圧倒的スケールで具現化させた。その後、手掛けたNetflixオリジナル映画「オクジャ/okja」(17)は、カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、高い評価と共に大きな話題を呼んだ。ポン・ジュノ監督の長編7作品目となる『パラサイト 半地下の家族』(19)は、『母なる証明』以来10年ぶりとなる韓国映画。ジャンルにとわられない唯一無二の作風に磨きをかけ、見事、満場一致でカンヌ国際映画祭最高賞のパルムドールに輝いた。
あらゆる空間にリアリティを求めました。多くの時間を費やし、再開発が予定されているソウルの古い町並みを歩き回りました。
ポン・ジュノ監督とは、Netflixオリジナル映画「オクジャ/okja」(17)に続く、2度目のタッグ。そのほか『ハウスメイド』(10/イム・サンス監督)、『10人の泥棒たち』(12/チェ・ドンフン監督)、『ドラッグ・ウォー 毒戦』(12/ジョニー・トー監督)、『海にかかる霧』(14/シム・ソンボ監督)など話題作を手掛ける。
登場人物全員の服をデザインし、作りました。監督との仕事はいつも刺激的です。この映画から得たエネルギーは、このままあと10 年は持続するでしょう。
ポン・ジュノ監督とは、『母なる証明』(09)、「オクジャ/okja」(17)とタッグを組んできた信頼の厚いスタッフのひとり。これまでに、ソン・ガンホ主演『青い塩』(11/イ・ヒョンスン監督)、『10人の泥棒たち』(12/チェ・ドンフン監督)、『海にかかる霧』(14/シム・ソンボ監督)などがある。
真夏の日差しを捉えるのは初めてだったので、光を待って、最高のタイミングで捉えるのは楽しかった。役者たちの忍耐力と、スタッフ全員が活躍する場を作ってくれた監督に感謝します。
1962年8月11日生まれ。韓国を代表する撮影監督。ウォン・カーウァイ作品の撮影監督として知られるクリストファー・ドイルの元で経験を積み、「ハウドゥン(原題)」(98/キム・シオン監督)で撮影監督 デビュー。ポン・ジュノ監督とは『母なる証明』(09)、『スノーピアサー』(13)に続く、3度目のタッグとなる。主な作品は、『反則王』(00/キム・ジウン監督)、『ブラザーフッド』(04/カン・ジェギュ監督)、『海にかかる霧』(14/シム・ソンボ監督)、『哭声/コクソン』(16/ナ・ホンジン監督)、『バーニング 劇場版』(18/イ・チャンドン監督)など。
1982年5月7日生まれ。音楽家、歌手、作曲家、音楽プロデューサー。映画、演劇、ポップミュージックなど幅広い分野で活躍。伝統的な韓国の音楽をミックスしたオリジナリティのある楽曲が高く評価され、韓国大衆音楽賞を2度受賞。ポン・ジュノ監督Netflixオリジナル映画「オクジャ/okja」(17)でも音楽を手掛けた。そのほか、映画『海にかかる霧』(14/シム・ソンボ監督)や、国立唱劇団の音楽監督を務め、国際的に高い評価を受けた歌劇「トロイアの女たち」などがある。